宮古島の体験

伊良部島ガイドに聞いた、
もうひとつの宮古島へ。

離島の離島。かつてはそう呼ばれていた伊良部島は、
宮古島の西に隣接する周囲約29kmの隆起サンゴの島。
2015年の伊良部大橋の開通により、
より近くなったもうひとつの宮古島へ行ってみた。

観光名所の大橋を抜けた先に
知られざる離島の魅力が待つ。

「いま、宮古島観光へ訪れた人の多くが訪れると言われているのが、全長3kmを超える伊良部大橋です。何もない海にできた小さな島をつなげる大きな橋とそこに広がる海は、住む人の生活を変えただけでなく、訪れた人の記憶に残る風景となっているのです」。伊良部島を中心に、宮古島と伊良部島、2つの島のガイドを務める高浪隆一さんは、そう教えてくれました。自らがこの島の魅力に引き込まれ、約10年前に東京から移住されたとのこと。
「でも、10年近く宮古島と伊良部島に関わってきましたが、伊良部島をきちんと紹介しているガイドブックはほとんどない。名所が断片的に載っているだけで、それは伊良部島のほんの一部に過ぎないんです」。だからこそ、この橋の先に広がる島の美しさをもっと多くの人に感じてもらいたいと、自らがガイドになることを決意したといいます。
「今日は、まだまだ知られていないもうひとつの宮古島といわれる伊良部島を巡りたいと思います。手付かずの自然、車窓からの景色や集落の暮らし、ゆったりと流れる島時間を感じてもらえたらと思います」。そう言って伊良部大橋を渡り、目指したのは、一面に深い緑の広がるとても小さな島でした。

伊良部大橋。
伊良部大橋。

静かに脈々と受け継がれる
暮らしと自然。

宮古島の人口が約5万5000人に対し、伊良部島は5000人とおよそ10分の1。美しい自然を車で走り抜け、辿り着いたのは、カツオやマグロ、グルクン漁のメッカだという佐良浜漁港のある池間添集落。
「人が少ないということは、海が綺麗だということにつながります。伊良部島は一周車で40分くらいですが、信号は4つ、コンビニはひとつ。不便な分、驚くほど美しい景色があり、心が豊かになる暮らしがあります」。さらに人と人のつながりが密な場所でもあると高浪さんは教えてくれました。伝統的な漁法として受け継がれてきた『アギヤー漁』などもそのひとつで、高速のサバニ船を使ったグルクンの追い込み漁は仲間と協力しあう伊良部島の暮らしを象徴するひとつの仕事だといいます。
「現在は後継者不足という大きな問題もあるのですが、何とか伝統の灯火を消さないように池間添集落の人々は協力しあっているそうです」。海の恩恵で生活し、自然とともに生きる。小さな集落に密集する色とりどりの家々は、自然の豊かさとそこに生きる厳しさを教えてくれます。

佐良浜漁港。
佐良浜漁港。

さらに車を走らせ高浪さんが停車したのは、何のサインや標識もない防風林沿いの道。
「この防風林を抜けた先にも実は目を見張る絶景が待っているんです。こういった場所がここにはいくつもある。だからこの島をもっと紹介したいと思っているんです」。三角点と呼ばれる断崖絶壁の向こうに広がるコバルトブルーの海に心奪われ、海を覗くとウミガメが遊々と泳ぐ姿も。そういった手付かずの自然と寄り添える時間こそが伊良部島の魅力なのだと教えてくれました。

数時間のみ現出する幻の島へ。

最後に案内してくれたのは、伊良部大橋からも見える幻の島。干潮の際にのみ現れるという白砂のビーチでした。
「ゆにの浜と言われる小さな小さなビーチです。よく、漫画とか絵本などで描かれそうな孤島。透き通るコバルトブルーの海の中に、干潮の間の数時間だけ真っ白な白砂が、姿を現します。小さな船やカヤックなどでしか行けないため、まだまだ知られていない場所のひとつです」。宮古島からつながる離島から、さらに幻の島へ。

船でゆにの浜へ。
船でゆにの浜へ。

高浪さんと巡ったのは約半日でしたが、伊良部島にある静かなる暮らしぶりを感じ、心に残る風景を記憶に留めることができました。
「夕日の美しさ、それも見せたかった。でも、やり残したことがある方が、また伊良部島に来る理由になりますよね」。そう言って笑う、高浪さんの笑顔が印象的でした。

取材協力:
高浪隆一(琉球島ガイド)

MAP

シギラリゾートでは伊良部島ツアーを含む
数多くのアクティビティをご用意しております。

アクティビティ一覧